着物染色作家を目指している『たまご』が大きく羽ばたく日を夢見てます。*本文および画像の無断での転記・転載はお断りします。


by boomoon
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Fattura memoriale 7

年度末~年度始めにかけて、ずっとドタバタが続いていて…
なかなか書けずにいた制作後記
『小袖裂柄』の帯の制作後記は、今回でひとまず終わり…

また少し落ち着いたら、私が初めて染めた着物の制作後記を更新しようと思っています…

前回は、伏せ糊のあとの引き粉までを書きましたが…
今日は、その続きから…………………

伏せ糊が乾いたら、張り手という道具に反物の両端をカマせて
反物を広げて、地色を染める準備に入る

生地の経糸を張るためのものなのだが、この帯に関しては画像がないので、
また着物の制作後記で画像は掲載予定…
固定された棒などに張り手に結んである紐を巻き付け、しっかりと反物を伸ばしたら…

小針と呼ばれる、生地幅分の長さのある太い竹串みたいなものの両端に
小さな針がささったようなもので、緯糸を張って行く…

これで縦も横も繊維が伸びて、均等に染料が入りやすくなるらしい…

この帯は、柄の部分にだけ『骨豆』と施してあるが…
他の部分は染める前の状態のままなので、
地入れという作業が必要

これもキレイに生地に染料を定着させるためのもので、『骨豆』と同じ役割
張った帯地にタンパク質を引いて行くのである

豆汁を生地全体に刷毛で引く
地入れが乾くと、
引き染
『丘染め』といって、生地を染料に浸さずに刷毛で染料を染めていく

引き染した染料が乾く前に、下の画像の中央の紫(なのだが…)をぼかし刷毛と呼ばれる道具と
筆を用いて、絞り染め風に染めた
a0111447_1321665.jpg

携帯画像なので、色が飛んでしまっているが、実際は下の画像のような色

ここまでで、染めの作業は終了する

染料が完全に乾いたら、また蒸し屋さんに頼んで、引き染で染めた染料を蒸すことで
生地の繊維の奥にまで浸透させ、その後、
水元という作業で
伏せ糊と真糊糸目を洗い流してもらう


『友禅流し』と昔は呼ばれていたもので、今では環境問題もあり、川に反物を浸して、糊を落とす光景は
滅多に見れない作業になってしまった

糊がキレイに落ちたら、
湯のし屋さんに反物はまわり
制作中に伸びたり縮んだりした生地幅を元に戻してもらう作業がある

水元の工程までは、図案興しの段階から全て一人でやる場合もあるが、湯のしだけは、独特な
道具が必要なので、専門の職人さんに頼む事が多い…
私はまだまだ未熟者なので、蒸しの工程から職人さんに発注したが、いつかは水元までは
自力で出来るようにしたいと思っている

a0111447_1333166.jpg

こうして出来上がったのが↑であるが、この画像はまだ湯のし前の段階…

湯のし後は、仕立て屋さんに頼んで帯に仕立てて、帯が完成となる☆




*本文および画像の無断での転記・転載はお断りします。
なにぶん ワタクシ『たまご』ですので…
本文の内容に誤りのある可能性があることをご了承下さい。
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by boomoon | 2009-04-03 02:04 | 制作

Fattura memoriale 6

a0111447_2182315.jpg途中になっていた制作後記
続きを…

前回は色挿しの作業終了の
ところで終わっていましたね…

色挿しの作業が終わると、
空蒸しという
工程に…

これは柄の部分に色挿しした染料を
生地の繊維に定着させて、
繊維の奥まで染料を浸透させ、
柄の部分の染料が、
糸目の外に泣き出さない
(はみださない)ように
するための作業

空蒸しには、
専門の蒸し屋さんがいる

a0111447_2183620.jpg
個人で空蒸しをする場合も
あるが、
私はまだ蒸し器を持っていないので
外注に…

個人で空蒸しをする場合は、
余程経験を積んでいないと
失敗する可能性も高い…

空蒸しが終わると、次は
地色
染めるための準備工程

伏せ糊
いう作業

伏せ用に配合した真糊で、
色挿しした柄の部分を
伏せていく…

伏せることで、防染となり
地色を染めた時に、柄の部分に
地色の染料が入り込むのを
防ぐための作業である

柄からはみ出ないように、均一に、平らに糊を伏せていかないと、
地色を染めた時に伏せ糊の部分に乗った染料の乾き方にムラが出来たり、
刷毛が引っかかったりして、失敗を誘発する可能性が高まるので、
平らに厚めに引くようにと教わった

伏せ糊が乾く前に、引き粉という細かいおがくずを糊の上に振りかける

これをすることで、乾燥を早め、伏せ糊が他の部分にうっかり付着するのを防いでくれる

引き粉を振りかけ、余分な引き粉を落としたところで、伏せ糊の作業は完了である

つづきは…また近日中に…





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by boomoon | 2009-03-28 02:39 | 制作

Fattura memoriale 5

話が途中になってしまったので、イレギュラーに、昨日の続きを…a0111447_15153145.jpg

昨日の
制作後記で触れた
友禅机と骨豆の画像を
掲載してみる



ガラスが乗せてあるところが
くりぬかれている部分
私は左利きなので、
右側がくりぬかれた部分に
なっているが、
右利きの人は逆になる

a0111447_15143034.jpg
骨豆をするときは、
色挿し同様に、筆で柄の部分に
骨豆を施していく


染料は、自分の感覚で調整して
色を作っていくと書いたが、
この色の調整にも
経験値が必要で、

単純に黄色なら黄色の
染料だけを
使えば良いという
わけでもない…


黄色の染料の中にも赤味や青味があったり、紫などを入れる場合も…

先生は1000枚以上の着物を染めて、
ようやく思い通りの色を手早く作れるようになった
と仰っていた

そんな訳で、私もこの帯の挿し色を作った時は
結構な時間を要したし、出来る所まで作ったところで、最終的な明度や彩度の調整は
先生に見て頂いての最終調整となったのである…

こうして出来上がった挿し色を骨豆した白生地に色挿ししていく


よろけ縞は1本1本、丁寧に筆で色挿しし、花の部分は片羽刷毛という刷毛で
ぼかしを入れる
が、ここでついつい甘えが顔を覗かせた…

筆で1本1本のよろけ縞を着彩していくと、
お太鼓〜タレの場合は1本に20分ほどの時間を要してしまう
未熟故に時間がかかってしまうのだ…

この制作には、期限があり、それがギリギリだったために、
私は早く色挿し出来る方法を選び、
筆ではなく、挿し刷毛で色挿しをしてしまった…

挿し刷毛を使い慣れていないがために、糸目から染料がはみ出してしまったり…
生地裏まで、しっかりと染料が浸透しなかったり…
時間がないという理由で、丁寧な仕事をしなかったがために、
雑になってしまったのだった…

この失敗で、また1つ学んだ…

柄の部分全てに色が入ると、色挿しの作業は終わり、次の工程へと進んでいく。


つづきは、また来週…

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by boomoon | 2009-03-19 15:55 | 制作

Fattura memoriale 4

a0111447_2343994.jpg
今日も制作後記のつづきを…

糸目置きの作業が終わると、
いよいよ着彩になるのだが、
その前に…

現在、私が制作しているのは
全てが合成染料によるものである
いつか、天然染料で着物や帯を
自力で染められるようになりたい
と思っているが、まだまだそれは
勉強中の段階で、
作品としては作れていない…


天然染料でも合成染料でも、
着彩をする前に、一工程を要する

地入れと言われるのが
一般的なのだが、
たんぱく質を用いて、染料の定着を
良くさせるための作業である

豆汁(ゴジル)といって
大豆を粉砕した汁を着彩の前に
生地に馴染ませて乾燥させてから
染めていくと、生地に染料が定着しやすくなる

生地全体に豆汁を引いていくのが…地入れ
柄の部分だけ先に豆汁を施すのを…骨豆(コツマメ)と言う

この一工程がなされて、乾いてから、着彩に入る

着彩は、図案決定の段階で決めた配色を、自分の感覚で染料を混ぜ合わせて作っていく
この帯に関しては、それぞれのよろけ縞の色を濃淡2色ずつと、
花の中心に施すぼかし色を作成


友禅机と呼ばれる机の中央より、やや右よりがくりぬかれている特殊な机で

色挿しの作業をする
くりぬかれている部分から、電熱器で熱を生地に裏からあてる
理由は、染料を早く乾かすことで、細い糸目から色がはみ出るのを防ぐためとか、
生地に熱を加えることで、染料の生地の細部への浸透を促すためとからしい…


話が途中ですが…本日はここまで…かなり睡魔が襲って来てまして…
つづきは また近日中に…

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by boomoon | 2009-03-19 03:11 | 制作

Fattura memoriale 3

a0111447_228127.jpg
昨日は、嬉しさの余り、
かなりの長文になってしまった…

今日は、帯の制作後記の続きを…

前回は図案に込めた想いなどを
記したが、
図案が決まったところで、
生地に図案を写すところから
染の作業は始まる…

図案を生地に写すことを
下絵写し
いうのだが、この作業では
青花(アイバナ)
と呼ばれる、
露草の花の汁で写していた

過去形なのは、
現在は化学青花もあるから…
もちろん、天然青花もある



青花を筆に含ませて、下絵の上に白生地を乗せて、下からライトなどをあてて写していく
この時に、いかにキレイに細い線でトレース出来るかで、後の作業にも影響してしまう
ベテランになれば、そこまで気にしなくても良いのかもしれないが…
私はまだまだ『たまご』の身なので、全ての作業において、横着せずに、丁寧に、
を心がけてみる

何故か理由はわからないのだが、下絵写しでキレイな細い線が引けないと、
糸目でもキレイな細い線が引けないのである

頭に図案は入っていても、やはり目で見えたとおりに、
ついつい描いてしまうということかも?

疋田の部分は、染め分ける部分になるので、裏から鉛筆であたりをつけておく

下絵写しが終わったところで、糸目置きの作業になる

糸目の太さには気を遣う
太すぎれば野暮ったくなるし、細すぎると貧相になってしまうことがあるので、
染め上がって、糸目糊が落ちた時に、どういう感じになるのかを
想像出来るようになると、太さの判断は簡単になるのだそうだが… 
まだ私は、想像と現実が違うことの方が多い………

帯の制作時は、まだまだ今ほど細い糸目が引けないでいたので、
思っていたよりも、多少太くなってしまっている

前の部分は短かいので、あまり大変とも思わなかったが、
お太鼓の部分は、タレまで柄が入っているので長いこと……………
この帯は三通なので太鼓の上からタレまでは、2尺3寸
この長さのよろけ縞の糸目は、かなり緊張したのを、今でも思い出す…

糸目糊が全て引き終わって、糊が乾いたら、生地に糊をしっかりと浸透させるために
霧吹きをしたところで、糸目の作業が終了となる

次からは、着彩の作業に……
また つづきは近日中に…………………………


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by boomoon | 2009-03-18 03:06 | 制作

Fattura memoriale 2

今日も帯の制作後記の続きを…

帯を染めるきっかけになったのは、『小袖展』だったが…
図案を自分なりにアレンジする時に一番考えたのが、
帯を締めた際にお腹の部分にくる柄だった

この帯を染める以前に、友達の厚意で、初めて自分で自分の着物を染めた
友達のお母様が所有されていた白生地を私にプレゼントしてくれたのだ
友達のお陰で、自分で自分の着物を染めるという念願が叶った♪

着物の図案を考えているうちに浮かんだのが、まだ私が成人になる前に他界した祖母のこと
祖母は和裁をしていて、私が幼少の頃から浴衣や着物を仕立ててくれた
その祖母が、私が大人になった時のために…と、1枚の羽織を仕立てておいてくれたのだ

私が染めの勉強を始めた時には、既に他界してしまっていた祖母
染めを始めた時に、私も家族も親戚も「おばあちゃんが生きてたら喜んだね…」と思った

友達のおばあさまも、着物を誂えて娘に託し、その着物を今度は友達が託されていて
互いの祖母への敬愛を勝手にリンクさせて考えたのが、初めて染めた着物だった

その着物に合う帯を…と考えていたところに、小袖展の触発があり、
帯制作へと至ったのが経緯なのだが…

互いの祖母への敬愛のリンクは、この帯にもされている
画像は、帯の前の部分の図案
a0111447_1241786.jpg

名古屋帯として考えた図案なので、
画像を横半分に折ることで前の部分として成立するのだが…
疋田の左側にある七宝柄の中に
初めて染めた着物の柄と、祖母が私のために仕立ててくれた羽織の柄をしのばせた

こんなことを考えて決まった図案
次の制作後記からは、制作のことを綴ります…

また近日中に………つづく


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by boomoon | 2009-03-16 03:08 | 制作

Fattura memoriale 1

人間として、今以上に より良く向上していきたいと昨日のblogに記した
その気持ちを試すかのように、またしても解毒したい出来事が、即やってくる…
けれども、そろそろこのブログに頼らずに、自分の中だけで解毒出来るようにしないと…
私が目指すところは…
昼間から仕事中に酒の力を借りてしか言いたい事を言えず、
しかもそれが筋が通っていない上に、絡むだけ絡んだあとに、
周囲の人間に自分の考えを正当化しようとすり寄る
ようなレベルではないのだ☆

と、ちょっとだけ、このブログに頼ったところで……………


ブログを始めてからの私の心持ちは、飛躍的に前向きになれたのではないかと
思うようになった
それが当面の目標だったので、そろそろ次のステップに進んでみようかと………

3月11日に更新したHaute-couture di Edoで、自分用に染めた帯の画像を掲載した
自分の作品をブログで掲載するのには、実は少々勇気がいった…
上手く言葉に出来ないのだが、恥ずかしいというのとも違う
なんとなく不安で、なんとなく躊躇する気持ちがあって………全てなんとなくなのだが…
慣れていないからというのが近いかも…

それでも掲載したことで、次のステップに進んでみようと思えるようなった
そこで、これから時々(になりそうだけど)制作後記として、
掲載した帯が染め上がるまでを書いてみる

a0111447_344675.jpg
元になった小袖から、
自分なりに考えてみたのが画像の
下絵

下絵とは図案のことをいうのだが、
この図案の通りに白生地に
下書きをするところから
染めの作業が始まる…

ウネウネとしている線は
よろけ縞という

真ん中のツブツブは
疋田(ひった)
鹿の子ともいう

帯の背中の部分になる
お太鼓の図案である

お太鼓の他にお腹の部分になる
にも柄を施すので
制作に入る前に、2枚の図案を描くことになる

…つづきは また 近日中に…


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by boomoon | 2009-03-15 03:16 | 制作

Haute-couture di Edo

昨年の夏から秋にかけて、サントリー美術館で行われていた『小袖展』
三期に渡って展示の入れ替えがあり、300点近い小袖が展示されていた

江戸のオートクチュールというサブタイトルが付けられた展覧会は
まさに絢爛豪華な小袖が展示されていて、圧巻だった♪

合成染料が発明されたのは、1856年というから日本にペリー提督が
やってきた後のことである

江戸時代末期のことなので、展示品のほとんどが天然染料によるものとなる
友禅の展示もあったが、当然、糸目は真糊のはずだ…

豪華さに目を奪われつつも、先人の仕事ぶりを、とくと拝ませて頂いて、
その丁寧さや細かさに溜め息がこぼれた……

(先輩…あんまり良い仕事されると、後が大変じゃないですか…)と
心の中で先人にボソリと呟き、
先人に出来たことが現在の人間に出来ないはずがないと、自分を鼓舞させた☆

私にとっては、とても衝撃的な展覧会であり、記念すべき展覧会でもあったのだ…
触発され、出展品の中から、自分用に帯にデザインをアレンジして
染めるまでに至ったのだから…

a0111447_121686.jpg


その『小袖展』が、4月14日〜5月31日まで、今度は大阪で開催されるそうだ
門外不出とされていた小袖を集めたのは松坂屋京都染織参考館というところ

よくぞ…本当によくぞ収集して、大切に保存し、公開して下さいました…
本当にありがたい展覧会でした…
感謝してもしきれないくらいです

また機会があったら、今回公開されなかった資料を…
いつか…公開して頂きたいなぁ☆と願っております
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by boomoon | 2009-03-11 01:33 | 告知